静的サイトやWordPressサイトなどに問い合わせフォームを設置する際、バックエンドのコードやサーバー設定が必要になり専門的な知識が必要です。そんなフォーム設置のハードルを下げ、手軽かつセキュアに問い合わせフォームを実装できるサービスが無料でも利用できる「SSGform」です。
は、SSGformが提供する機能や特徴を一通り紹介し、どのような使い方が可能なのか紹介していきます。私も実際に利用中で今のところ問題ないので、継続して使っていく予定です。
SSGformはURLを書き換えるだけで利用可能
SSGformは、HTMLサイトやWordPressサイト、ウェブアプリケーションなどさまざまな環境でフォームが利用できるサービスです。
formタグのaction部分に、サービス側から発行されたURLを入力するだけで利用可能です。フォームのHTMLコードがあればSSGform経由で動かせるため、面倒なプログラミングやサーバー側のメール送信設定などは不要。SSGform側が提供する専用URLへPOSTすることで、通知メールが送信される仕組みになっています。
HTML側ではname
属性が必須ですが、それ以外の要素は自由に設計できます。テキストボックス、メール入力欄、セレクトボックス、ラジオボタン、チェックボックス、テキストエリアと、標準的なフォーム要素すべてに対応。複数選択のチェックボックスは、name[]
のような配列的な設定も可能です。
また、CSSやJavaScriptによるフォームの装飾やバリデーションも自由にできます。SSGformは通知メールに必要な処理を裏側で利用するのみなので、無料フォームサービスであってもオリジナルのデザインや機能を利用できます。
ちなみに、フォームのHTMLコードが書けないという方でも、サービス側でサンプルコードが用意されているので、コピペしてaction部分のURLを書き換えるだけで利用できます。
セキュリティ・プライバシー保護に配慮
SSGformは送信されたデータをサーバー側でログとして保持せず、データベースにも保存しません。あくまで通知メールを送るための中継役で、送信データは直ちに破棄されます。
他のフォームサービスではフォームデータがログとして残るケースもありますが、SSGformではその心配はなく、機密性の高い情報をあつかう場合でも、第三者による覗き見リスクを極力排除した設計が特徴です。
無料でもサービスへのリンクや広告など一切なし
一般的に類似サービスを無料で利用する場合、サービスへのリンクや広告バナーがつくことがありますが、SSGformはリンクや広告は一切ありません。無料でも事業用のサイトに使いやすい、かなり珍しいサービスです。
サンクスページや送信ドメインは独自ドメイン設定OK
フォーム送信後にユーザーへ見せるサンクスページURLを指定しておけば、SSGform側の画面は原則として一切表示されません(制限超過時を除く)。
また、通知メールや自動応答メールの送信元ドメインを独自ドメインに変更できるため、SSGform側の要素を一切出さずにフォームを運用できます。
独自ドメイン設定にはDNSの調整が必要ですが、送信元メールアドレスを自サイトのドメインで統一できます。
わかりやすい料金プランとフリープランでも充実の機能
SSGformは無料のプランであっても機能制限はほぼありません。広告表示なし、reCAPTCHAや自動応答メール、サンキューページ転送など、必要な機能はすべて利用可能です。
プラン間で機能差を付けず、月間送信数に応じて料金が決まるシンプルな価格体系を採用しています。
フリープランは月100回まで送信可能。送信数が増えればスターター、プロプランへアップグレードする選択肢もあります。もちろんフォームURL数やメンバー数の制限もなく、拡張性も十分です。
主な機能一覧
SSGformの主な機能を紹介していきます。
通知メール送信
フォーム送信があった際、指定したメールアドレスへ即座に通知メールを送れます。通知先は複数指定可能で、担当者や部署ごとに振り分けることで、問い合わせ対応の効率化が期待できます。
自動応答メール送信
フォーム送信者に対して、自動で受付確認メールを送信できます。この返信メールの差出元アドレス(From)を独自ドメインに変更したり、返信先(Reply-to)を設定することも可能です。返信先の設定により、受信者が返信する際に、特定のサポート担当用メールアドレスを指定することができます。
送信後転送(サンクスページ設定)
フォーム送信後に表示するURLを指定できるため、ユーザーに「送信ありがとうございました」ページやダウンロード資料ページなどを自然な流れで提示可能です。
reCAPTCHA対応
スパムボット対策として、reCAPTCHA v2やv3に対応。フォーム側への専用タグ設置と、SSGform側でのシークレットキー登録で利用できます。reCAPTCHAの導入は複雑そうに見えますが、SSGform側で簡潔にセットアップ可能です。
スパム対策機能
reCAPTCHA以外にも、NGワード指定や全角文字チェック機能で海外スパムの侵入を防ぐなど、多段階のスパム対策が可能です。これらを組み合わせることで、しつこい営業スパムや不明瞭な外国語スパムを効率的にブロックすることができます。
通知先サービス連携(Slack、Microsoft Teams、Google Chat、Chatwork)
通知メールだけでなく、SlackやMicrosoft Teams、Google Chat、Chatworkなどのチャットツールへ送信内容を即時通知できます。これにより、サポートチームが日常的に利用するコミュニケーションツール上でリアルタイムに問い合わせを共有・対応することが可能です。
メンション設定やTo設定など、チーム運用に欠かせない細かなカスタマイズにも対応しており、チャットツール管理画面での連携設定を完了することでスムーズな通知フローを構築できます。
メンバー管理機能
マイページからメンバーアカウントを作成・管理できるため、複数の担当者でフォームを運用するケースにおいて便利です。特定のフォームのみ操作可能なアカウントを用意するなど、権限コントロールで作業効率とセキュリティを高められます。
注意点
サービス内容や導入の手軽さは何も言うことはないのですが、実際に実装するに辺り、手間取った点について紹介しておきます。
送信元ドメインの設定
フォーム入力者への自動返信メールを送る際、そのメールの送信元メールアドレスはSSGformのドメインになっています。ここを独自ドメインのメールアドレスに変えたい場合には、送信元ドメインの設定が必要です。ここではエックスサーバーでの設定方法をご案内していきます(DNSレコード設定があるので設定には十分に注意してください)。
SPF設定
SSGform管理画面内の「送信元ドメイン」にある「SPFレコードの変更が必要です。」のレコードをサーバー側に設定します。
エックスサーバー、サーバーパネルの「メール」→「SPF設定」から設定していきます。
上画像内の矢印部分にすでにエックスサーバー側の設定レコードが記述されているので、ここにSSGformから提示されたレコードを追記していきます。
v=spf1 +a:sv00000.xserver.jp +a:example.jp +mx include:spf.sender.xserver.jp ここに追記 ~all
反映は、設定から数十分〜数時間かかるようで、私もすぐには反映されませんでした(30分程度)。
TXTレコードの追加
SSGform管理画面内の「送信元ドメイン」にある「SPFレコードの変更が必要です。」のレコードをサーバー側に設定します。
エックスサーバー、サーバーパネルの「ドメイン」→「DNSレコード設定」から設定していきます。
「DNSレコード設定を追加」をクリックして、上画像のフォームを表示させます。「内容」部分に「TXTレコードの追加が必要です。」のTXTレコードをコピペして「追加する」で設定します。
こちらの反映も、設定から数十分〜数時間かかりるようですが、私はSPF設定よりは早いイメージでした。
reCAPTCHA設定
reCAPTCHA設定は、SSGform管理画面内の「reCAPTCHA Secret Key」にシークレットキーをコピペして、サイトキーはフォームの送信ボタンに記述します。
<button class="g-recaptcha" data-sitekey="ここにサイトキーを入力" data-callback="onSubmit" data-action="submit" type="submit">入力内容を確認して送信する</button>
WordPressのContact Form 7などを利用していると、サイトキーやシークレットキーは管理画面で設定するという認識の方が多いと思うので、注意が必要です。
SSGformは、静的サイトからWordPressまで、あらゆるWebサイトに問い合わせフォームを手軽に追加できるサービスです。
通知メールや自動応答メール、各種チャットツール連携、スパム対策機能、独自ドメイン設定など、フォーム運用に必要な機能を余すところなく搭載しています。
しかも、フリープランからこれらすべてを使い始めることができ、導入の敷居は限りなく低く、拡張性は高い。そんな「黒子」に徹したSSGformは、サイト運営者にとって頼もしい存在と言えると思います。ぜひ試してみてください。
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