ロゴ制作前に聞きたいヒアリング項目

  • Update2024.12.04
  • Publication2024.12.03
  • デザイン制作について

ロゴデザインを依頼する際に大切なのは、デザイナーにあなたの事業について情報を伝えること。そのために欠かせないのが「ヒアリング」です。

本記事では、デザイナーが具体的にどのような項目をヒアリングし、それらがどのような意図をもった質問なのかを紹介いたします。この内容を理解してからヒアリングに望んでいただくことで、ロゴ制作がよりスムーズに進み、理想的な仕上がりに近づく一助となるはずです。

事業情報

ロゴに記載する名称(ロゴの中に含める文字列)は何ですか?

企業名、ブランド名、あるいは略称など、ロゴに含める正確な文字列をご提示いただきます。将来的な展開も考慮し、柔軟性のある名称選びが重要です。判断が難しい場合にはご相談いただくことも可能です。

企業や商品の主な事業内容や提供するサービスは何ですか?

サービス内容を詳細に把握することで、別途質問するターゲット層の情報と合わせて、事業に関する理解度を深めることができます。既存サービスだけでなく、数年以内に開始するサービスや、まだ確定ではないが実現したいものなどもありましたら教えてください。

企業や商品の歴史や背景について教えてください。

長い歴史を持つ企業なら伝統や信頼性を、新興企業なら革新性や成長性を強調することを検討する場合があります。企業の歩みや設立の経緯、重要な転換点などの情報は、ロゴに込める物語性や意味を作成する上で重要なコンテンツとなります。

既存顧客はどのような人ですか?

現在の顧客層を理解することは、事業の現状を把握する上で重要です。年齢層、職業、ライフスタイル、購買行動などの特徴を理解することで、現在の事業イメージとの一貫性を保ちつつ、新しいロゴデザインの方向性を探ることができます。

ターゲットとする顧客層はどのような人々ですか?

将来的に獲得したい顧客層について把握することで、ロゴデザインの方向性が明確になります。ターゲット顧客の価値観や嗜好を考慮したデザインは、より親しまれやすいデザインになりやすいです。

ロゴの目的と期待

なぜロゴを変更する必要があるのですか?(変更時のみ)

変更の理由を明確にすることで、新しいロゴに求められる要素を見出すきっかけになります。

  • 事業内容の変化 新規事業への参入や事業領域の拡大により、現在のロゴが適切でなくなった場合。
  • ブランドイメージの刷新 企業イメージを現代的にアップデートしたい、あるいは新しいターゲット層に訴求したい場合。
  • 企業合併や買収 組織構造の変化に伴い、新しいアイデンティティが必要になった場合。
  • 国際展開 グローバル市場への進出に伴い、より普遍的なデザインが求められる場合。
  • 旧ロゴの問題点 現在のロゴに視認性や汎用性の問題がある場合。

変更の理由を明確にすることで、新しいロゴに求められる要素や避けるべき点が明確になり、より効果的なデザイン制作につながります。

このロゴを通じて達成したい具体的な目標は何ですか?

ロゴは単なる装飾ではなく、ビジネス目標を達成するための重要なツールです。具体的な目標を設定することで、ロゴデザインの方向性が明確になります。

  • ブランド認知度の向上 記憶に残りやすく、識別しやすいデザインが求められます。
  • 企業価値の表現 企業理念や提供価値を視覚的に伝えるデザインが重要です。
  • 顧客との信頼関係構築 信頼性や専門性を感じさせるデザインが効果的です。
  • 差別化 競合他社と異なる独自性を持つデザインが求められます。
  • ターゲット層への訴求 特定の顧客層の心に響くデザイン要素を取り入れます。
  • ブランドの一貫性確立 他のマーケティング材料と調和するデザインが重要です。

目標を明確にすることで、デザイナーはより戦略的なアプローチでロゴを制作することができます。

ロゴの使用予定場所(名刺、看板、ウェブサイト、SNSなど)をすべて教えてください。

ロゴの使用場所を事前に把握することは、汎用性の高いデザインを作成する上で非常に重要です。様々な媒体や環境でも効果的に機能するロゴを制作するためには、以下のような使用場所を考慮する必要があります:

  • 印刷媒体 名刺、レターヘッド、パンフレット、製品パッケージなど
  • デジタル媒体 ウェブサイト、スマートフォンアプリ、SNSプロフィール、電子署名など
  • 屋外広告 看板、車両ラッピング、のぼり旗など
  • ユニフォーム 社員の制服、イベント用Tシャツなど
  • プロモーション商品 ノベルティグッズ、ステッカーなど
  • 動画コンテンツ YouTube動画、テレビCMなど

使用予定場所が多岐にわたる場合、シンプルで汎用性の高いデザインが求められます。一方、特定の媒体での使用が主な場合は、その媒体に最適化されたデザインを検討することができます。

ブランドの特徴と印象

ロゴを見た人に、どのような印象を与えたいですか?

ロゴは企業やブランドの顔であり、最初の印象を決定づける重要な要素です。目指す印象を明確にすることで、デザインの方向性が定まります。

  • 信頼性 安定感のあるフォントや色使いで、信頼できる企業イメージを醸成
  • 革新性 斬新な形状や色使いで、先進的で革新的な印象を与える
  • 親しみやすさ 柔らかい曲線や温かみのある色調で、親近感を演出
  • 高級感 洗練されたデザインや上品な色使いで、プレミアム感を表現
  • 活力 動きのあるデザインや鮮やかな色使いで、エネルギッシュな印象を与える

企業や商品の核となる価値観や理念はありますか?

企業の核となる価値観や理念は、コア・バリューと呼ばれ、ブランドの本質を表すものです。これをロゴに反映させることで、企業の魂を視覚化することができます。

  • 顧客第一 お客様の満足を最優先にする姿勢
  • 革新と挑戦 常に新しいことに挑戦し続ける精神
  • 持続可能性 環境や社会に配慮した事業展開
  • 品質へのこだわり 妥協のない品質追求
  • 誠実さと透明性 オープンで誠実なビジネス姿勢

コア・バリューをロゴに反映させることで、企業の理念や価値観を視覚的に伝えることができます。

競合他社と比較して、特徴や強みは何ですか?

自社の強みを理解し、それをロゴに反映させることで、市場での独自性を強調できます。

  • 技術力 最先端の技術や特許を持っている場合
  • サービスの質 顧客満足度の高さや独自のサービス提供方法
  • 歴史と伝統 長年の実績や信頼性
  • 価格競争力 コストパフォーマンスの高さ
  • 独自の企業文化 社員の満足度の高さや独特の組織風土

これらの強みを象徴的に表現することで、競合他社との差別化を図るロゴデザインが可能になります。

競合他社と比較して、今後どのような点で差別化を図りたいですか?

将来的な展望や目標を考慮したロゴデザインは、企業の成長と共に長く使用できる可能性が高くなります。

  • グローバル展開 国際市場への進出を視野に入れたデザイン
  • デジタル化 IT技術やデジタルサービスの強化を示唆するデザイン
  • サステナビリティ 環境配慮や社会貢献への取り組みを表現
  • カスタマイズ能力 個別ニーズへの対応力を示すデザイン
  • イノベーション 常に新しい価値を創造し続ける姿勢を表現

デザインの方向性

世の中にあるロゴデザインの中で、方向性が近いと感じるものはありますか?

方向性の近いデザインを提示いただくことで、お客さまの理想とするデザインの方向性が明確になります。特に、以下の要素について理解を深めることができます。

  • シンプルさ、装飾性の度合い
  • モダン、クラシックなどの時代性
  • 堅実、革新的などのブランド個性
  • 業界内での差別化ポイント
  • ロゴマークとロゴタイプのバランス

好みの色や避けたい色はありますか?

色彩選択は、ブランドの個性を視覚的に表現する重要な要素です。
以下の観点から検討を進めていきましょう。

  • 好ましいと感じる色
  • 使用を避けたい色
  • 企業やブランドのイメージに合うと思われる色調
  • 既存の販促物やウェブサイトで使用している色
  • 競合他社が使用している色との関係性

シンプルなデザインと複雑なデザイン、どちらを好みますか?

デザインの複雑さは、事業のメッセージ伝達に大きな影響を与えます。

シンプルなデザイン

  • 即座に認識できる
  • 汎用性が高い
  • モダンで洗練された印象

複雑なデザイン

  • 詳細な情報を伝達できる
  • 独自性が強調できる
  • 業界によっては適している場合がある

文字のみのロゴタイプか、シンボルマークを含むものか、どちらを希望しますか?

ロゴの形式選択は、ブランドの特性と伝えたいメッセージに大きく依存します

文字のみのロゴタイプ

  • シンプルで読みやすい
  • 企業名を直接的に伝える

シンボルマーク含むロゴ

  • 視覚的なインパクトが強い
  • ブランドの本質を象徴的に表現

実務的な情報

ロゴの納品希望日はいつですか?

ロゴの納期は制作内容に応じて変わります。一般的な制作期間は3〜6週間程度です。
クオリティの高いロゴを制作するためには、コンセプト立案、デザイン案の作成、修正のプロセスに十分な時間をかけることが重要です。ただし、さまざまな事情により納期を早める必要があるケースも十分に理解しています。
ひとまずご希望としてご提示ください。できるかぎり調整いたします。

ロゴデザインの予算はどのくらいですか?

ロゴデザインの予算は、制作内容や提供されるサービスの範囲によって大きく変動します。
darumanoでは、8万円から30万円程度ですが、デザイン案の数、ビジュアル確認資料の作成、修正回数、ロゴ使用ガイドラインの作成など、様々な要因が料金に影響します。
重要なのは、単純な価格比較ではなく、提案内容や付加価値を十分に検討することです。ロゴは気軽に変更できない、事業の重要な経営資産であり、長期的な視点で投資を考えることが大切です。

ロゴに含めたい特定の要素(タグラインなど)はありますか?

特定の要素を含めることで、ブランドメッセージをより効果的に伝えられます。

  • タグライン ブランドの核となるメッセージを簡潔に表現
  • シンボル 企業の特徴や事業内容を視覚的に表現
  • 特定の色やフォント ブランドイメージを強化

社内でロゴの承認プロセスはどのようになっていますか?

承認プロセスは納期に大きく影響します。
以下の点を明確にしましょう。

  • 承認に関わる人数と役職
  • 各段階での承認にかかる時間
  • フィードバックの収集と反映方法
  • 最終決定権者

ロゴと一緒に依頼を検討しているデザイン(ウェブサイトや名刺、ショップカードなど)はありますか?

ロゴと同時に他のデザインを依頼することで、一貫したブランドイメージを構築できます。

  • ウェブサイト オンラインでの事業内容の表現
  • 名刺 ビジネスコミュニケーションの基本ツール
  • ショップカード 顧客とのつながりを強化
  • パンフレット 詳細な情報提供と印象付け

本ヒアリング項目をまとめたヒアリングシートをスプレッドシートにて用意しました。コピペとセルサイズ変更などで再現できます。項目は案件ごとで変わるかと思いますし、別途追加も必要かと思います。こちらをベースに使いやすいように改変してご利用ください。

ヒアリングシートはこちら


これらの質問に丁寧に答えることで、事業をよく理解し、独自性のある魅力的なロゴを制作するためのきっかけを得られやすくなります。

ロゴは企業の顔となる大切な要素であり、簡単に変更することはできません。デザイナーとの丁寧なコミュニケーションを通じて、長く愛されるロゴづくりを目指しましょう。

サロン本来の魅力を、あなたらしく届けませんか?

これまで、多くの美容サロンオーナーの方が、特定の集客方法に頼らざるを得ない状況をたびたび目にしてきました。

そこで私は、ロゴやウェブサイトの制作を通じて、サロンならではの個性や世界観を、より直接的にお客様へお届けできる仕組みづくりをお手伝いしています。

「もっと自分らしい見せ方で、お客様に届く表現をしたい。」とお考えでしたら、お気軽にご相談ください。

Auther

darumanoデザイナー小林のプロフィール写真
Masayuki Kobayashi

1980年生まれ、茨城県出身。ロゴ制作を軸に、CI・VIデザインやウェブサイト制作など、多様な分野で活躍するフリーランスデザイナーとして14年の実績を積んできました。これまでに手がけた案件は多岐にわたり、とくに美容サロンや小規模ビジネスの世界観を引き立てるデザインを得意としています。一人ひとりの想いや事業の本質を丁寧に汲み取り、長く愛されるロゴやホームページ、名刺デザインを目指し、単なる装飾に終わらない、効果的な魅力発信をお手伝いします。

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